肝臓内科について
肝臓はよく「沈黙の臓器」という表現をされ、病気が発症していても症状を自覚しにくい臓器です。
そのため多くの場合は、健康診断や人間ドックで異常を指摘されて発見されるケースも多いです。
また、症状を自覚できた時にはすでに肝硬変や肝臓がんの末期状態になっていることもあります。
定期的な検査を受けることで病気の早期発見・早期治療が可能です。
高松市の屋島おおはら内科・消化器クリニックでは、日本肝臓学会専門医の院長が検査から治療まで二人三脚でトータルサポートいたします。
健康診断で指摘を受けた方や自覚症状がある方、定期的な検査を受けていない方は、一度当院にご相談ください。
このような症状でお悩みではありませんか?
- 食欲低下
- 慢性的な体のだるさ
- 腹痛
- 黄疸(顔や白目の部分などが黄色い)の症状が出ている
- 体重の急激な増加
- 飲酒量が多い
- 長期間の生活習慣の乱れが気になる
- 健康診断や人間ドックで肝機能異常の指摘を受けた
以上のような症状が出現せずに病気が進行することもあります。
肝臓内科で対応する疾患
急性肝炎
ウイルスへの感染、薬の影響、自己免疫異常などが原因で発症します。
症状は、急な発熱や喉の痛み、頭痛、食欲低下、黄疸、嘔気・嘔吐、腹痛などがあります。
自然治癒するケースがほとんどですが、ごく一部では重症化し、急性肝不全(劇症肝炎)に至ることがあるため注意が必要です。
B型肝炎
血液や体液を介してB型肝炎ウイルス(HBV)へ感染し、6ヵ月以上続いている肝炎です。
健康状態や感染時期などにより、「一時的な感染で済むケース」と「慢性化するケース」があります。
症状はほとんどない場合が多く、全身倦怠感や疲労感、食欲低下などがみられることがあります。
C型肝炎
血液や体液を介してC型肝炎ウイルス(HCV)へ感染し、6ヵ月以上続いている肝炎です。
放置すると慢性化して、肝硬変や肝がんに進行することが多いため注意が必要となります。
B型肝炎と同様、自覚症状がほとんどなく、進行するケースが多いので、定期的な検査で確認することが大切です。
肝硬変
B型肝炎やC型肝炎、自己免疫性肝炎、非アルコール性脂肪肝炎、アルコール性肝炎などにより、肝臓の障害と再生を繰り返すことで、肝臓が硬くなった状態です。
初期症状がないことも多く、進行すると、腹水や出血などの症状をきたし、命に関わることもあります。
肝臓は臓器の要であり、その肝臓がかなり傷んでしまった肝硬変では、専門医に相談の上計画的な治療を行う必要があります。
脂肪肝
肝細胞に脂肪が異常に蓄積した状態です。
主な原因は、暴飲暴食、肥満、運動不足であり、アルコールを飲まない人でも発症することがあります。
ほとんどの場合、自覚症状なしに進行しますが、倦怠感や食欲不振、黄疸などの症状が起こる場合があります。
脂肪肝を放置すると、肝炎や肝硬変、肝がんなどのリスクが高まります。
生活習慣の改善などを行うことで、脂肪肝の段階であれば、健康な肝臓に戻すことも十分に可能とされています。
非アルコール性脂肪性肝炎
アルコールを全くもしくはほとんど飲まない方に起こる肝炎です。
原因は、肥満や脂質異常症、糖尿病、運動不足などとされていますが、はっきりとはわかっていません。
疲労感や倦怠感、右上腹部の不快感などがみられることがありますが、多くの場合でほぼ無症状であり、放置していると、肝硬変や肝がんへと進展する可能性が高まります。
治療では、食事療法・運動療法を基本とし、必要に応じて、薬物療法も取り入れます。
アルコール性肝障害
常習的な飲酒を主な原因として発症する肝臓の障害です。
ほとんどの場合無症状ですが、疲労感や食欲低下、腹部の張りなどが出現することがあります。
治療せずに放置していると、肝硬変、肝がんに進展する可能性が高まります。
肝機能障害・肝障害
何らかの原因で肝臓が障害を受けて炎症を生じ、肝細胞が破壊されることで、血液検査で肝酵素のAST(GOT)、ALT(GPT)、γ‐GTPなどの項目が基準値から外れた状態です。
初期の自覚症状はほとんどなく、ほとんどの方が健康診断や人間ドックで指摘されて気づきます。
肝がん
肝臓にできたがんです。
肝臓にできたがんであっても、他の臓器から転移してできたがんは「転移性肝がん」といい、肝臓から発生したがんとは別に考えます。
また肝がんのうち、肝臓の主な細胞である肝細胞ががん化したものを「肝細胞がん」といい、日本で発生する肝臓がんの90%以上を占めます。
自己免疫性肝炎
肝臓に対する免疫学的機序が破綻することで肝炎が発症します。
はっきりとした原因はわかっていませんが、感染症や妊娠・出産、薬剤によるものなどが考えられます。
多くの場合は自覚症状がなく、健康診断などで見つかることも多いです。
全身倦怠感や疲労感、食欲不振などの症状が出現することもあります。
薬物性肝障害
処方された薬やサプリメントなどが原因で肝臓がダメージを受け、発症した肝障害です。
抗菌薬での発症が最も多いとされています。
症状は無症状もしくは軽い場合が多いですが、肝不全の症状である、黄疸(顔や白目が黄色くなるなど)や腹痛、吐き気、意識障害といった症状が出現することもあり、注意が必要です。
原発性胆汁性胆管炎
肝臓の中にある胆管に炎症が生じた状態です。
症状は、皮膚のかゆみや疲労などが出現しますが、症状が見られないこともあり、健康診断などで指摘されて見つかることも多いです。
適切な治療が行わなければ肝硬変や肝がんを併発する恐れがあり、早期発見・早期治療が重要です。
肝機能の異常・肝臓の数値を指摘されたら…
肝機能の異常・肝臓の数値を指摘された場合、何らかの原因により肝臓が障害を受けて炎症が生じ、肝細胞が壊れている可能性が高いです。
血液検査でAST、ALT、γGTP、ALP、LDH、ビリルビンといった肝機能や炎症などを示す数値が高くなっている場合、数値が高ければ高いほど強い障害を示します。
初期には自覚症状がほとんどなく、多くの場合、健康診断などで指摘されます。
肝機能の異常・肝臓の数値を指摘された場合は、B型肝炎、C型肝炎、肝硬変、肝がんなどの可能性もありうるため、早めに検査や治療を受けましょう。